紺野道昭通信

M&Aについて①(定期発信-Vol.188)

今回と次回はM&Aについてお話しします。

専門誌によると、2023年度のわが国におけるM&Aの件数は4,015件(前年比△6.7%)、取引金額は17.9兆円(同+52.2%)でしたが、2024年には4,700件に伸び、過去最多を更新したようです。

出典:https://www.marr.jp/marr/marr202502/entry/56991?utm_source=chatgpt.com

 

背景には中小企業の事業承継問題に加え、M&Aが成長戦略のひとつとして捉えられるようになったことが挙げられます。

特に前者は2030年までは毎年5万社を超えるとも云われ、喫緊の課題です。

 

さてご承知の通りM&Aにはリスクもあります。

・買収価格の妥当性

・法務/契約面でのトラブル

・顧客/取引先の離反

・財務/税務リスク

 

ただやはり最大のリスクは「企業文化/組織統合の失敗」ですね。

不十分な情報開示、処遇や評価制度の変更などが原因となり、社内の反発やモラル低下が生じ、結果的に組織の混乱や人材流出などが発生するものです。

 

さて当社のケースです。

今から一年以上前、ある企業のM&Aオファーを受けました。

私がまず考えたのが、この「企業文化・組織統合の失敗」についてです。

前段で列挙したリスクは専門家に委ねれば概ね解決可能ですが、企業文化や組織統合は買収する企業側にしかできません。

まして中小企業におけるM&Aの話となれば、全てを部下に任せることは出来ません。

そもそも企業文化は経営者自身が生み出すものです。

社員たちが勝手に作り上げるものではありません。

行動指針や判断基準を明確にする必要がありますから、「100の言葉より1つのルール」が大事な場合もあります。

 

M&Aを成功させるには、数字や仕組みだけでなく、何よりも人と風土に対し真摯に向き合わねばなりません。

価値観共有とその浸透にこそ、M&Aの成否がかかっているのです。