紺野道昭通信

M&Aについて②(定期発信-Vol.189)

前回の続きです。

前回挙げた企業を買収してから、半年経ちましたが、当初懸念していたようなトラブルや問題は、一切発生していません。

日々感じるのは、双方の社員による前向きな姿勢です。

ネガティブな意見や不満の声は全く聞こえて来ず、「学びが多く、刺激になる」と云った前向きな言葉が殆どです。

特に買収先企業がこれまで培ってきたノウハウ、取引先との信頼関係、専門性などは、早くも当社にとって大きな財産となっており、この先沢山のシナジーが生まれる予感があります。

従って現時点では、今回のM&Aが非常に良い形で進んでおり、今後の成功事例になり得る手応えを感じています。

 

前回触れた「企業文化・組織統合の失敗」リスクについても、オファーを受けた当初から特に注意を払いました。

買収先企業の風土や価値観について、最大限に情報を集めました。

M&A成立後も、単なる制度やルールの統一ではなく、文化の融合という観点から、様々な取り組みを進めました。

当社の理念や価値観について、私自身の言葉で直接お話しする機会を何度も設けました。

また当社恒例の社内イベントに彼らが参加する機会を積極的に設け、社員間レベルのコミュニケーションを最大限に増やす工夫も重ねてきました。

こうした取り組みが功を奏したのか、両社の社員間に信頼関係が生まれ、今では互いに敬意をもって協力し合う雰囲気が醸成されつつあります。

 

「神は細部に宿る」という言葉がありますが、これは品質管理に限った話ではありません。

企業文化においても、細かな気配りや配慮、そして何よりも経営者のこだわりや姿勢が、その後の融合プロセスを左右するのだと改めて実感しています。

ほんとうの意味において組織がひとつになるためには、理念や制度だけではなく、根底にある「人と人とのつながり」こそが重要であり、それをどう醸成するかが経営者の手腕だと思います。