紺野道昭通信

こんのはどのようにして『理念経営』を始めたのか⑩(定期発信-Vol.24)

いよいよその日が来ました。

事前に“朝7時、汚れても構わない服装で目黒の本社にお越し下さい”とご案内いただいたので都内に前泊したのですが、興奮して眠れなかったことをよく覚えています。

とにかく鍵山氏から「掃除に学ぼう」という気持ちでいっぱいでした。

これまで数多く参加した講演会や勉強会、セミナーよりもとにかく一つでも多く、否、全てを学び持ち帰ろうとワクワクしていました。

ただ一方で、講演会後の楽屋で快諾いただいたとは云え、やはり鍵山氏は上場企業の社長です。

きっと当日は総務の方が出てきて掃除のテクニックを教わるくらいだろうな…と心のどこかで考えていました。

 

全くの杞憂でした。

 

約束の朝7時にお訪ねすると、七分丈のズボンとポロシャツ姿の鍵山氏がご自身の社用車を当たり前のように洗っていました。

こうしたことは当然運転手の仕事だと考えていた私は最初から驚かされました。

この人は違う。

考え方や所作、何から何まで私が思い描く上場企業の社長像と全く異なっていました。

ほんとうに、鍵山氏自らが“掃除に学ぶ”ことをマンツーマンで教えて下さったのです。

 

さて上場企業の社長によるマンツーマンのご指導は、普通に考えれば一時間あたりの“授業料”は相当なものでしょう。

それ以前にそのようなお願いをしたところで門前払いだと思います。

しかし鍵山氏は損得など一切抜きで、最初から最後まで私にはもったいないくらい丁寧にご指導下さったのです。

 

“実るほど頭を垂れる稲穂かな”という言葉、まさに鍵山氏を表していると思いました。

 

さて訪問してすぐ、氏の姿勢から既に多くを教えていただきましたが、本社を出てからさらに多くのことを教わることになります。