前回の続きです。
普段ハラスメントを起こさないような社員であっても、あるときから起こすようになることがあります。
その原因の一つに環境的要因があります。
マネジメントをチェックするガバナンスの不備、また成果主義や結果主義などの風土も関係するでしょう。
往々にして人は楽な方に気持ちが傾きます。
自分より弱い立場の人を従属、服従させ、ときには相手の弱みを突いて攻撃することさえあります。
大事なのは、そうした行動に陥っていることに自ら気づくことだと思います。
出来ることなら、周囲から指摘される前に自ら是正することです。
ご承知のようにハラスメント防止が企業に義務付けられていますが、果たしてそれが充分に機能しているかは大いに疑問です。
もし機能しているのであれば、何年も前から発生しているハラスメント問題が今になって明るみに出るようなことは起こり得ないでしょう。
職場と云うものは身内贔屓や好き嫌い、利害関係などが絡み合っていますから、ハラスメントを発見した第三者が隠すことさえあります。
何よりも大切なことは、社員同士が彼我のことだけでなく、それぞれの家族のことまで慮り、お互いに最大限の敬意を持って接することです。
社員一人ひとりがこの姿勢をしっかり持つことで、いつしかその組織の風土、社風になります。
さて一方で、業務上必要な指導や叱責の一部分だけを切り取り、ハラスメントと捉えるのもいかがなものかと思います。
例えば同じ失敗を何度も何度も繰り返す社員がいたとします。
その社員を先輩が強く叱責しました。
この「強く叱責」のみを取り上げれば、パワハラになるのかもしれません。
ただ同じ失敗を何度も何度も繰り返す社員に、果たして問題がないと云えるでしょうか。
何事も一部だけで決めつけず、背景や前後にあったことを踏まえ判断せねばなりません。
魔女裁判のようなことが蔓延し、不信感ばかり募るような組織にしてはならないのです。